マイクロローター VS ペリフェラルローター
機械式腕時計は、手巻き式時計の背面にローターを設置し、重力と腕の運動量で巻き上げる機構です。
歴史にその開発の起源で名を刻んでいる時計師は
アブラアン=ルイ・ペルレ、アブラアム=ルイ・ブレゲ、ベール・サートン等です。当時腕時計の文化は機能と美しさを競い合う為に軍事や王侯貴族への贈答品として捧げられていました。特に軍事分野では、現在の時刻を知る為の必需品として1850年代にかけて普及しました。
時が流れ戦争が終わり、スーツ等のドレスコードが上流階級から普及しました。次に職人に求められたのは、時計の薄型化です。
スポーツ時計以外の各メーカーはこぞってムーブメントの薄型化に取り組み始めました。
代表的なのは「IWC、セイコー、エテルナ、ビエンヌ SA 、ビューレン、ユニバーサルジュネーブ」等です。
その中で一番早く開発と設計に成功したのは、ビューレン、ユニバーサルジュネーブです。
ビューレン社は「スーパースレンダー」とマイクロローター製ムーブメントの広告を打ち出しました。特許関連で揉めたのが、スイスのユニバーサルジュネーブです。
興味がある方は、同時期に開発が進められたペリフェラル ローターも調べてみると面白いかもしれません。
カール F. ブヘラ キャリバー A1000、パッテクフィリップ、カルティエ9603 MCも開発に取り組んでいます。
ブルガリがオクトフィニッシモが 3.95 mm の史上最薄の自動巻き時計と最薄のトゥールビヨンを作成しました。
ドゥ・ヴィット、ヴァシュロン・コンスタンタン、ブレゲ、オーデマピゲ、ピアジェ等が有名です。
ペリフェラル ローターは通常のローターがムーブメントの半分程度を遮ってしまいますが、ペリフェラルローターは、ムーブメントの外周をローターが重力と動力により、より薄く、スムーズに回転するためムーブメントを隅々まで見渡すことができます。
マイクロローターの文化は現代に受け継がれ、パテックフィリップを皮切りに、ロジェ デュブイ、ローラン フェリエ、アーミン シュトローム、ブルガリ、セイコー、世界記録を持つブルガリのオクトシリーズもマイクロローターで有名です。マイクロローターは動力源の保持性やその繊細さから高度な技術が必要とされる為、一般的に価格が高価になってしまいます。時計ファンとしては残念ですが、メーカーの多くが作り上げたマイクロローターに18Kゴールドの豪華な装飾を施す事も稀ではありません。
LAINE
2020年代に入るとチャペック、ローマンゴティエ、スピークマリン、ライネ、ランゲ&ゾーネ等のブランドで見かけることが出来ます。
最終的な回答は好みになると思いますが、マイクロローター VS ペリフェラル ローターというローターの種類にこだわり、腕時計を選ぶのも洒落た選択肢の一つだと思います。進化加速し続けるムーブメント、腕時計をより楽しんで下さい。
コントワーヌでは、腕時計のオーバーホール、複雑時計の修理も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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