ジャンシャンで時計を磨く

「 ジャンシャン(Gentian)で時計を磨く」変なタイトルのブログだなーと感じた方が殆どだと思います。ジャンシャンはリンドウ化の根から取れる薬草として知られています。寒冷地方の乾燥地帯で採取する事が出来ます。
関節痛の炎症を止める薬としてヨーロッパでは馴染み深い薬草として知られています。高濃度のリキュールにも使われています。

 腕時計と何の関係があるの?
と皆さん思われるかもしれません。ヒントは「割り箸」です。ますます意味がわからない? ヒントでは無い? はい。説明します。

 実は腕時計に使われる金属研磨を極めれば、極めるほど繊細な道具が使われます。ザラツを使った研磨などが日本では有名ですが、日本の職人さんもサンドペーパーや木の切れ端、中には乾燥した材木を最後の仕上に使用しているという方もいます。

 ジャンシャンを使った有名な例では独立時計師のフィリップ・デュフォーがいます。彼は自身の少数生産の時計のムーブメントの最終仕上げにジャンシャンを使っています。実はこのジャンシャンですが、現在の少数生産のムーブメント工房の最終仕上げに、ダイアモンドペーストを塗って使用されています。柔らかい木材で最後の繊細な仕上げを行う、まるで料理の調味料のように使用されています。スイスに出張へ行くと、職人仲間にお土産に頼まれるのがあの「割り箸」、柔らかさが腕時計のムーブメントの最終仕上げに一番柔らかくて使い易くまたコストパフォーマンス抜群との事。
 皆さんが知る独立時計師のムーブメントも最終仕上げにジャンシャンや割り箸でしげられている時計もあるかもしれません。何だかお腹が空いてきそうな腕時計の話ですね。

 それだけ腕時計のムーブメントやケースの最終仕上げに慎重になっている為、一つの腕時計を作り上げるまで、長い時間を要します。料理と同じですね。
さて皆様はスイス料理は何が好きですか?

"Tout se passe bien?"

 

最新ニュースに戻る

コメントを残す

コメントは一般に公開されます。個人情報の記載があった場合、当社の判断で削除させていただきます。ご了承ください。

C.museum NEWS

コントワーヌが発信するC.museum(シー ミュージアム)では時計コレクターの為に、随時時計に関わる最新情報を配信いたします。